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甲状腺疾患
甲状腺(気管の前面に位置し、蝶形をした臓器です)でつくられるホルモンを甲状腺ホルモンと呼び、生きていくためには欠かせない大切なホルモンです。このホルモンは、食事から摂取されたヨウ素を原料としてつくられます。そして、熱産生や基礎代謝に深く影響をします。
よって、甲状腺ホルモンのバランスが崩れると、汗をかきやすく、体重が減少したり(機能亢進症)、逆に、寒がりや冷え性、低体温傾向、むくみやすい、体重が増える(機能低下症)という症状が出はじめます。
バセドウ病(甲状腺ホルモンの増加する代表疾患)
バセドウ病というと患者さんは、「眼が飛び出る病気でしょ」と口をそろえて言います。最近では、芸能人の方が、バセドウ病であることを告白していただいていることで、「○○さんの病気でしょ」と言われることも多くなりました。
この病気は、自己免疫異常が関与しており、甲状腺で過剰にホルモンが合成・分泌されるため、体重が急激に減って、がんを心配し受診されたり、動悸や血圧の上昇、イライラするなどさまざまな症状を訴え受診されます。
また、治療法には、[1]薬物治療[2]手術[3]放射線ヨード治療があり、薬物療法については、数年間を必要とし、中止後、再発もしばしば認められる疾患です。
慢性甲状腺炎(甲状腺ホルモンの低下する代表疾患)
別名:橋本病(甲状腺ホルモンの低下する代表疾患)。甲状腺ホルモンの低下により疲れやすい、便秘、体重増加、髪が抜けやすい、声がかすれる、月経不順、汗をかきにくいなど、さまざまな症状があります。
甲状腺ホルモンの低下する原因はたくさんありますが、甲状腺自体が障害され、甲状腺ホルモンの合成・分泌が障害されるものを原発性甲状腺機能低下症と呼び、その中でも患者数が多いのは、橋本病です。治療は、甲状腺ホルモン剤の補充です。
ずっと服用することになる方が多いです。
(埼玉県では特定疾患に該当しますが、TSH値が100以上の方が対象となります。)
甲状腺腫瘍
腫瘍の中には、良性腫瘍(良性腺腫)と悪性腫瘍(がん)があり、やはり問題なのは、悪性腫瘍です。甲状腺のがんの中には、乳頭がん、濾胞がん、未分化がん、髄様がんというものがあります。この中で最も多いのは乳頭がんです。(※別ページがん情報サービス参照)
甲状腺炎
ウイルス感染が原因とされる亜急性甲状腺炎というものは、頸部の痛みが強く、下顎や耳の方までに強く痛みを訴えます。最初は、甲状腺の病気と気がつかず、耳鼻咽喉科や何度も内科を受診してしまうこともあるようです。副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)治療を必要とする場合があります。
また、無痛性甲状腺炎という疾患もあり、これは、慢性甲状腺炎(橋本病)の方に起こることが多く、また分娩後にも発症することがあります。治療は対症療法のみで、ほとんどが経過観察です。