久喜市江面の内科、内分泌・糖尿病内科 久喜江面クリニック

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平成27年9月9日 甲状腺疾患の【あるある話】Part1

診察中によく聞かれる先生と患者さんの会話 ~ナース目線から~

甲状腺疾患を疑い初めて来院された方の会話
「私、甲状腺があるって言われたんです。」
「私、健診で甲状腺と言われました。」
「甲状腺は人間、動物がみんなもっている臓器(内分泌臓器)ですよ!」
「甲状腺の何という病気を指摘され、治療されているのですか?」
・・・と先生は話をしています。
甲状腺とは:
生きていく上で必要な熱産生や代謝に関わる甲状腺ホルモンをつくる器官。首の前面にあり男性で言うと、のど仏の下に蝶が羽を広げたような形で存在します。
(診察時や人から首が腫れていない!?と指摘されたり、甲状腺を触って『しこりがある』『大きいね』と言われた場合には異常があるかもしれません。)
甲状腺の代表的な疾患:
バセドウ病、橋本病(慢性甲状腺炎)、亜急性甲状腺炎、甲状腺がん(乳頭がん、ろ胞がんなど)、腺腫様甲状腺腫
 
~甲状腺疾患は家族歴があることが多く、初診の際に質問させていただきました。
これをきっかけに家族も調べて甲状腺疾患が見つかる方もいましたよ!
バセドウ病や橋本病で治療中の患者さんとの会話
「前の病院で海藻類は食べてはダメと言われたのですが・・・」
「食べたらいけない物はありますか?」
「ヨード制限が必要な検査や治療を行う前ならともかく、過剰に摂らなければ普通でいいですよ!」
「今の治療状態が安定していれば、今までの食生活で構いませんよ。」
「イソジンガーグルの連用や、おでんに入っている昆布を毎日食べるとか、端な過剰摂取にならなければ気にしなくていいですよ。」
・・・と先生は言っています。
「外食でも昆布だしが使用されていると思ったら、何にも食べられませんよね~。」
「食べ物以外にも注意しなくてはならないのは、ヨード造影剤です!特に女性は、子宮卵管造影を予定された場合は、産婦人科の医師に甲状腺疾患があることを告げ、もちろん当クリニックにもお知らせくださいね。(検査によって甲状腺機能に影響が出るみたいです。)」
バセドウ病で薬が開始になった患者さんとの会話
「どのくらいの期間で改善しますか?」
「何カ月くらい薬を飲むのですか?」
「バセドウ病だと目が出てしまいますか?」
「個人差はありますが、早い人で2~3年。5年10年かかる人もいます。2~3年たっても薬を中止できない方は、このまま薬でいくか、放射線治療あるいは手術に切り替えるか検討していきます。」
「バセドウ病だから全員が眼の症状がでる訳ではありません。眼球突出は約50%の症例でみられ両側性ですが、1/4の症例では片側のこともあります。」
・・・と先生は言っています。
(※2018年12月07日発行日本甲状腺学会 編集甲状腺専門医ガイドブック改訂第2版より)
「バセドウ病の患者さんの中には、これまで何回も中断したりした方が多いですよ~。」
「眼の症状は、眼に出るだけではありません。まぶたが腫れたり、ドライアイになったり、二重になったりとさまざまです。必要な方にはバセドウ病眼症として医師の紹介もしていますので、気になる症状があればどんどんお知らせくださいね。」
橋本病で薬を飲んでいる方の会話
「薬はいつまで飲むのですか?」
「他の薬も飲んでいますが一緒に飲んでいいですか?」
「薬の継続が必要と判断され、甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS)を服用し、甲状腺機能が正常化、安定した状態が維持されている方はずっと飲み続けなければならないでしょう。自分勝手に中断すればまた甲状腺機能低下に陥ります。」
「どんな薬ですか?鉄剤ですか?胃薬ですか?抗生剤ですか?」
・・・など聞いています。
「妊娠が分かっても薬は止めないでくださいね!妊娠が判明すると薬が増量される場合が多いのですぐに受診してください。分からなければ、まずはお電話ください。」
「よく聞くのが鉄剤ですが、内服時間をずらすことで支障はないみたいです。
野菜ジュースやダイエット食品などの繊維の多い食品も、甲状腺ホルモン剤の吸収を妨げることがあるみたいです。他のお薬が開始になった場合などは、必ず先生にご相談してくださいね!」

★ 診察室を出てから“あっ”と思ったことなどがありましたら、気軽に声をかけてください・・・